法人化を考える
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マイクロ法人+個人事業主の「二刀流」は自分に合うか|最低等級の社保と国保の差、法人の維持コスト、否認されるパターン、SES一本の法人が個人事業を足す考え方

マイクロ法人+個人事業の 「二刀流」は自分に合うか
gou
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📢 本記事は、SESと受託を法人で運営しているゴウが、公開情報(協会けんぽ・日本年金機構・自治体の保険料率)をもとに書いています。私自身は「二刀流」をやっていないので、この記事は制度の整理です。数値は2026年度(令和8年度)のもので、社会保険料は都道府県・年齢で変わります。 一部にアフィリエイト広告(PR)を含みます。

「マイクロ法人と個人事業主の二刀流」は、法人で最低等級の役員報酬を取って社会保険に入り、稼ぎは個人事業で得る、という仕組みです。社会保険料を抑えられる反面、やり方を間違えると否認されるスキームでもあります。この記事では、仕組みと数字、向く人・向かない人、SES一本の法人が個人事業を足す場合の考え方を整理します。

ゴウ
ゴウ
私自身は個人事業(開業届)は持っていません。SES一本の法人なので、この記事はあくまで制度の整理として読んでください。
ゴウ
ゴウ
私はSESと受託を法人で受けています。二刀流は「別の事業が2つある人」の仕組みで、同じ仕事を名義だけ分けると否認のリスクが高い、というのが調べた結論です。一本で回している人が無理に真似するものではないと思っています。

仕組み:法人で社保、個人事業で稼ぐ

STEP 1
マイクロ法人を作り、役員報酬を最低等級付近に
標準報酬月額5.8万円(2026年度の第1等級)。この額をもとに健康保険・厚生年金に加入
↓
STEP 2
本業の稼ぎは個人事業で
個人事業の所得には所得税・住民税はかかるが、国民健康保険・国民年金には入らない(法人の社保に入っているため)
↓
STEP 3
社会保険料は法人側の低い報酬で決まる
国保は所得に応じて上がるが、社保は標準報酬月額で決まるので、個人事業の所得が増えても保険料は変わらない

数字で見る:最低等級の社保 vs 国保+国民年金

マイクロ法人(最低等級)個人事業のみ(国保+国民年金)
健康保険標準報酬月額5.8万円×9.85%(協会けんぽ東京・40歳未満)=月5,713円(本人負担2,857円)国保:所得割(東京の目安:医療7.51%+支援金2.80%)+均等割(約6.5万円)。所得500万円なら年54万円前後(世田谷区・2026年度料率で試算)
年金厚生年金:月6,653円(本人負担3,326円)国民年金:月17,920円(2026年度)=年215,040円
本人負担の合計(年)約7.4万円(会社負担も同額で、法人のコストとして約7.4万円)年75万円前後(所得500万円・単身、世田谷区2026年度料率の目安)
将来の年金厚生年金(報酬比例部分は小さい)国民年金のみ(基礎年金)

※協会けんぽ東京の2026年度料率、日本年金機構の国民年金保険料、東京都内の自治体の国保料率をもとにした目安。40〜64歳は介護保険料が加わります。正確な国保料は自治体の試算ツールで確認してください。

差額は大きく見えますが、ここから法人の維持コストを引きます。

法人の維持コスト:差額から引くもの

🏛️
均等割 年7万円
赤字でも払う法人住民税
🧑‍💼
税理士 年15〜40万円
顧問+決算。自分でやれば安いが手間
📋
社会保険の事務
算定基礎届、月額変更届、賞与支払届
🏢
登記・口座・ソフト
設立費用、法人口座、会計ソフト

ざっくり、年20〜50万円の維持コストを差額が上回るかどうかが損益分岐です。個人事業の所得が低いうちは、二刀流にしても手間が増えるだけになります。

否認されやすいパターン

⚠️ 「同じ仕事を名義だけ分ける」は危ない
  • 法人と個人事業の事業内容・取引先が同じ:実質同一事業と見られ、売上の付け替えや経費の水増しとして否認されるリスク
  • 法人側に事業の実体がない:契約書・請求書・成果物・稼働の記録がなく、役員報酬だけ払っている
  • 役員報酬が労務の対価として不自然:法人の売上に対して報酬が極端に低い(または高い)
  • 帳簿・口座が分かれていない:法人と個人の入出金が混ざっている

逆に言えば、法人と個人事業が別の事業で、それぞれに契約・請求・稼働の実体があり、帳簿と口座が分かれていれば、二刀流は制度として認められている形です。

向く人・向かない人

🟢 向く人
✅ 性質の違う事業が2つある(例:法人で物販やコンサル、個人で開発)
✅ 個人事業の所得が高く、国保が上限近い
✅ 法人の事務と税理士費用を負担できる
✅ 帳簿と口座をきっちり分けられる
🟠 向かない人
⚠️ 事業が1つしかない(SES一本など)
⚠️ 所得がまだ低く、維持コストが差額を上回る
⚠️ 「箱だけ」の法人を作ることになる
⚠️ 事務作業に時間を割けない

SES一本の法人が「個人事業を足す」場合

私のようにSESを法人で受けている人が、あとから個人事業を足すケースは考えられます。このとき大事なのは「法人のSESとは別の事業か」です。

個人事業の内容判断理由
ブログ・コンテンツ販売・執筆🟢 分けやすい法人のSESとは性質が違う。契約相手も違う
別ジャンルの業務委託(例:講師、コンサル)🟢 分けやすい事業内容が明確に異なれば実体を説明できる
同じ客先のSESの一部を個人で受ける🔴 危ない同じ役務の名義分け。実質同一事業と見られる
法人の売上の一部を個人に付け替える🔴 否認売上の付け替えは税務上の問題そのもの
ゴウ
ゴウ
「法人で受ける仕事」と「個人でやってもいい仕事」を分けるなら、契約相手と事業の性質が違うかが基準になると考えています。ただし、法人一本で問題なく回っているなら、社会保険料のためだけに仕組みを複雑にする必要はないと思っています。

2026年以降の年金改正との関係

2026年4月から在職老齢年金の支給停止の基準額が65万円に上がり、厚生年金の標準報酬月額の上限は2027年9月から3段階で75万円まで引き上げられる予定です。どちらも高い報酬を取る人に関わる改正で、最低等級の役員報酬を取る二刀流には直接の影響はありません。ただし「実態のない低額の役員報酬」への目は年々厳しくなっているので、実体をきちんと作ることが前提です。

役員報酬を最低等級にしたときの社会保険料の動きは「役員報酬ゼロ・低額・中額の試算例」で数字を出しています。

まとめ

📝 この記事のまとめ
  • 二刀流=法人で最低等級の役員報酬を取って社保に入り、稼ぎは個人事業で。国保・国民年金より社会保険料を抑えられる
  • 最低等級の社保は本人負担で年約7.4万円(会社負担も同額)。国保+国民年金は所得500万円・単身で年75万円前後が目安(東京都内の料率で試算)
  • 差額から法人の維持コスト(均等割7万円・税理士・事務)年20〜50万円を引いて考える
  • 「同じ仕事を名義だけ分ける」は否認リスク。法人と個人で別の事業・別の契約・別の帳簿が前提
  • SES一本の法人は無理に真似しない。個人事業を足すなら性質の違う事業に
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ひとり社長の制度の小ネタや、副業から法人化までの気づきを毎日投稿しています。

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副業から合同会社を設立して4年目のひとり社長/エンジニア
本業を持ちながら副業(口コミサイトと受託開発)を12年育て、本業と並行して合同会社を設立。その後、法人に一本化しました。いまはSESを本業に、自社Webサービスと口コミサイトを運営しています。立ち上げ前に自分が不安だったこと・迷ったことを、実際にどうだったかと一緒に書いています。
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