ひとり社長の源泉所得税|納期の特例で年2回(7/10・1/20)にする方法、納付書の書き方、e-Tax・ペイジー納付の手順と「0円でも提出」【2026年版】

ひとり社長の源泉所得税納期の特例・納付書・ペイジー
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📢 本記事は、ひとり合同会社の代表社員・ゴウが、国税庁のタックスアンサー・「源泉徴収のしかた 令和8年版」・令和8年分の源泉徴収税額表、e-Taxの公式案内をもとに書いています。内容は2026年11月時点のものです。税額は社会保険料控除後の金額と扶養親族等の数で変わるので、必ずご自身の給与明細で税額表を引いてください。一部にアフィリエイト広告(PR)を含みます。

ひとり社長になると、自分の役員報酬から所得税を天引きして、会社として国に納める仕事が毎月ついてきます。これが源泉所得税の納付です。期限は原則「翌月10日」。ただし給与を払う人が常時10人未満の会社は、納期の特例を申請すると年2回(7月10日・1月20日)にまとめられます。

この記事では、源泉所得税の仕組み、役員報酬15万円・60万円のときの税額の目安、納期の特例の申請方法と「いつから適用されるか」、新設法人に納付書が届く仕組み、所得税徴収高計算書(納付書)の各欄の意味、e-Taxでの5つの納付方法とペイジー納付の手順、遅れたときのペナルティまで、設立4年目の私の運用(税理士が申告→自分でペイジー納付)を交えて整理します。

ゴウ
ゴウ
私は毎月納付です。徴収高計算書の作成とe-Taxでの送信は顧問税理士にお願いしていて、送信後に届く納付情報をもとに、自分のネットバンキングからペイジーで払うのが毎月の仕事。納期の特例は使っていません。妻への給料(月85,000円)は税額が0円なので、実際に納めているのは自分の役員報酬分だけです。

まず結論:ひとり社長の源泉所得税は「毎月」か「年2回」の二択

🗓️ 原則:毎月納付
役員報酬を支払った月の翌月10日まで
毎月同じ作業の繰り返し。1回の金額は小さい
税理士が毎月送信してくれるなら手間はほぼ増えない
私はこちら
📅 納期の特例:年2回
1〜6月分 → 7月10日、7〜12月分 → 翌年1月20日
給与を払う人が常時10人未満なら申請できる(ひとり社長はほぼ該当)
1月は年末調整の精算と重なり、一度に払う額が大きくなる
期限2026〜2027年の実際の日付
毎月納付支給月の翌月10日。土日祝なら翌営業日
特例:1〜6月分2026年7月10日(金)/2027年7月10日は土曜なので7月12日(月)
特例:7〜12月分2027年1月20日(水)

出典:国税庁 タックスアンサー No.2505「源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限と納期の特例」

源泉所得税の仕組みをひとり社長向けに整理

役員報酬から天引きして、会社が納める

会社員のときは会社が勝手にやってくれていた「給料からの所得税の天引き」を、今度は自分の会社がやります。役員報酬も給与所得なので、支払うときに所得税(復興特別所得税を含む)を源泉徴収し、会社が国に納めます。天引きした税額は源泉徴収税額表(月額表)で決まり、「社会保険料控除後の金額」と「扶養親族等の数」で引きます。

毎月の流れ(毎月納付の場合)
💴
①役員報酬を支給
額面から社会保険料と源泉所得税を引いて振込
›
🧮
②徴収高計算書を作成
支給額・人員・税額を記入(紙かe-Tax)
›
📨
③e-Taxで送信
税理士に任せていれば代理送信
›
🏦
④翌月10日までに納付
ペイジー・ダイレクト納付など

税額はいくら? 役員報酬15万円・60万円の目安

役員報酬(月)社会保険料控除後(概算)扶養親族等 0人扶養親族等 1人
15万円約12.7〜12.8万円1,300円0円
60万円約51.1〜51.7万円約29,700〜30,600円約23,200〜24,200円

令和8年分 源泉徴収税額表(月額表)甲欄で引いた目安。社会保険料の本人負担は協会けんぽ(東京)と厚生年金の料率で試算した概算で、年齢(介護保険料)や都道府県で数千円ずれます。出典:国税庁 令和8年分 源泉徴収税額表(月額表)

令和8年分で変わった点
  • 甲欄で税額が0円になるラインが、扶養親族等0人で「105,000円未満」に(令和7年分までは88,000円未満)
  • 妻への給料が月85,000円なら、扶養控除等申告書を会社に出してもらっていれば源泉徴収税額は0円
  • 令和9年分の税額表もすでに公表されている。2027年1月以降の給与は令和9年分の表で引く

会社員のまま役員報酬をもらっている間は「乙欄」

本業の会社に扶養控除等申告書を出している人は、自分の会社では申告書を出せないので乙欄で源泉徴収します。乙欄は甲欄より高く引かれ、確定申告で精算する形です。私も会社員時代の月15万円は乙欄でした(会社員のまま役員報酬をもらう人の確定申告、二以上事業所勤務届)。

納期の特例で年2回にする方法

条件と対象

項目内容
条件給与の支給人員が常時10人未満の源泉徴収義務者。ひとり社長(+家族従業員)なら該当
対象になる税額給与・退職金から源泉徴収した税額、税理士・司法書士など一定の士業報酬から源泉徴収した税額
対象にならない税額原稿料・デザイン料など、上記以外の報酬から源泉徴収した税額(毎月納付のまま)
申請書「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を給与支払事務所等の所在地の所轄税務署へ。提出時期の定めなし、手数料なし、e-Taxでも提出可
承認却下の通知がなければ、提出した月の翌月末日に承認されたものとみなされる
適用開始申請書を提出した月の翌月に源泉徴収する分から

出典:タックスアンサー No.2505、国税庁「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請」

「いつから適用?」を国税庁の例で図解

2月に申請書を提出した場合
📮
2月:申請書を提出
所轄税務署へ(e-Tax可)
›
💴
2月支給分
まだ特例の対象外 → 3月10日に通常納付
›
📦
3〜6月支給分
特例の対象 → 7月10日にまとめて納付
›
📦
7〜12月支給分
翌年1月20日にまとめて納付
提出した月の分は通常どおり翌月10日に納めるので、「出した月から半年分まとめられる」わけではない点に注意

毎月納付 vs 納期の特例

比べる点毎月納付納期の特例(年2回)
納付の回数年12回年2回
1回の金額(月60万円・扶養1人の例)約2.4万円約14万円(6か月分)+1月は年末調整の精算
資金繰り毎月少額で平準化半年分を会社に置いておく必要がある
忘れるリスク毎月のルーティンになる回数が少ない分、期限を忘れやすい
1月の事務通常どおり年末調整・法定調書・給与支払報告書と重なって集中する
向いている人税理士が毎月送信してくれる人、残高管理を細かくしたい人自分で計算書を作る人、事務を半年に1回にまとめたい人
ゴウ
ゴウ
私が特例を使っていないのは、税理士が毎月送信してくれるので自分の手間が増えないのと、毎月払うほうが法人口座の残高の見通しが立てやすいからです。自分で計算書を作るなら、年2回にまとめたほうが楽だと思います。

1月20日は年末調整の精算と重なる

特例を使うと、1月20日の納付には7〜12月分の税額に加えて年末調整の不足額・超過額の精算が入ります。同じ1月には法定調書合計表・給与支払報告書(2月1日)・償却資産申告もあり、ひとり社長の1月はもともと事務が多い月です(ひとり社長の年末調整と1月の提出物、年末にやることチェックリスト)。

新設法人に「納付書」が届く仕組み

STEP1
給与支払事務所等の開設届出書を出す(開設から1か月以内)
役員報酬を払う会社は「給与支払事務所」なので、設立後に所轄税務署へ提出。私は設立後に契約した税理士に他の届出と一緒に出してもらいました(設立後の届出一覧と期限)
STEP2
税務署が源泉徴収義務者として登録し、整理番号がつく
徴収高計算書に書く「整理番号」は税務署から通知されるもの。この番号で納付が管理される
STEP3
納付書(所得税徴収高計算書)が届く
例年、年末調整の時期に翌年分がまとめて郵送されてくる。e-Taxで送信するなら「送付不要」を選ぶこともできる
納付書まわりで2026年以降に変わること
  • 様式がA4単票式に:2026年9月下旬以降、税務署で配付する納付書が複写式からA4単票式に変更。手元の複写式は2028年9月ごろまで使える予定
  • 事前送付の取りやめ:原則として2029年(令和11年)の年末調整の時期から、法人税・消費税をキャッシュレス納付している法人には納付書が送られなくなる(国税庁 2026年10月8日付お知らせ)。e-Taxで納めていれば実務上は困らない
  • 控えに収受印が押されない:2025年1月から、紙で提出した控えに税務署の収受日付印は押されない。提出日は自分で記録する

出典:国税庁 タックスアンサー No.2110「給与支払事務所等の開設届出書」、国税庁「源泉徴収のしかた 令和8年版」第14節

所得税徴収高計算書(納付書)の書き方

紙でもe-Taxでも項目は同じです。納期の特例の承認を受けている会社は「納期特例分」、それ以外は「一般分」の様式を使います。

欄何を書くかひとり社長の注意点
年度会計年度(4月1日〜翌年3月31日)。令和8年4月〜令和9年3月の納付は「08」暦年ではないので、1〜3月の納付は前の年度番号になる
税務署名・税務署番号・整理番号所轄税務署と、税務署から通知された整理番号整理番号を間違えると別の会社の納付になる。届いた納付書の印字を使う
納期等の区分一般分:給与を支払った年月/特例分:対象期間(例:令和8年1月〜6月)「納付する月」ではなく「支払った月」
支給年月日一般分:支払日/特例分:最初と最後の支払日役員報酬の支給日を固定しておくと迷わない
人員一般分:その月に給与を払った人数/特例分:各月の人数の合計(延べ人数)ひとり社長+妻で6か月なら特例分は「12」
支給額社会保険料を引く前の給与の総額(役員報酬+従業員給与)手取りではなく額面
税額源泉徴収した所得税・復興特別所得税の合計0円なら「0」と書いて提出
年末調整による不足税額・超過税額12月(または1月)の年末調整で精算した額従業員の還付があればここに
本税・合計額税額の合計。合計額の頭に「¥」を枠内に必ず書くOCRで読むので黒ボールペン、折らない・汚さない
摘要補足事項年末調整の還付の内訳など、必要なときだけ

出典:国税庁「源泉徴収のしかた 令和8年版」第14節 所得税徴収高計算書の記載

税額が0円でも提出する

役員報酬を低く設定していて源泉徴収税額が0円の月でも、「納付する税額がない場合であっても、所得税徴収高計算書を所轄の税務署に提出する必要があります」と国税庁の案内に明記されています。紙なら税額0円で提出、e-Taxなら「納付税額0円」のデータを送信します。出さないと「納付がない」と「提出がない」の区別がつかず、税務署から問い合わせが来ることがあります。

出典:国税庁「源泉徴収のしかた 令和8年版」第14節、タックスアンサー No.2110

e-Taxでの納付方法5つの比較

方法手数料事前準備上限ひとり社長向けの評価
インターネットバンキング(ペイジー)なしネットバンキングの契約(ペイジー対応の金融機関)なし私はこれ。税理士の送信→自分で納付の流れに合う
ダイレクト納付なし利用届出書(法人は書面で約1か月)なし一度登録すれば口座引落。「自動ダイレクト」なら法定納期限当日に自動で引落され、忘れ防止になる
クレジットカード1万円ごとに99円(税込)e-Taxから手続1回1,000万円未満ポイント目的なら。領収証書は出ない
スマホアプリ納付なしアプリ残高のチャージ30万円以下少額なら可。領収証書は出ない
コンビニ納付(QRコード)なし—30万円以下源泉所得税(徴収高計算書)は対象外
金融機関・税務署の窓口なし紙の納付書なし昔ながらの方法。e-Taxで送信するなら不要

出典:国税庁「国税の納付手続」、同「クレジットカード納付の手続」、同「コンビニ納付(QRコード)」

ペイジー納付の手順(税理士が送信→自分で払う場合)

STEP1
徴収高計算書をe-Taxで送信する
税理士が代理送信する場合でも、電子納税の納付情報は納税者本人(会社)のメッセージボックスに格納される(e-Tax FAQ)。だから「税理士が送信、社長が納付」が成り立つ
STEP2
e-Taxのメッセージボックスで受信通知を開く
法人の利用者識別番号と暗証番号でログイン。受信通知に納付区分番号(10桁)が表示される。有効期間は格納日から2か月
STEP3
ネットバンキングの「税金・各種料金払込み(ペイジー)」へ
対応金融機関なら受信通知の「インターネットバンキング」ボタンから遷移して入力を省略できる
STEP4
4つの番号を入力して払込
収納機関番号 00200(国税庁)/納付番号=利用者識別番号/確認番号=納税用確認番号/納付区分=納付区分番号
STEP5
メッセージボックスの完了通知を確認
納付後に納付完了の通知が格納される。領収証書は発行されないので、この通知と銀行の明細が記録になる
ゴウ
ゴウ
私の毎月のルーティンはこれだけです。税理士から「送信しました」の連絡と納付情報が届いたら、法人口座のネットバンキングでペイジーの番号を入れて払う。5分で終わります。送信しただけでは納付したことにならないので、期限を過ぎないように連絡が来たらその日に払うようにしています。

出典:e-Tax「インターネットバンキング等による電子納税」、e-Tax よくある質問「税理士が代理送信した場合の電子納税」

納付が遅れたらどうなる?

ペナルティ内容2026年(令和8年)の数字
不納付加算税期限後に納めた場合に課される。税務署から納税の告知を受ける前に自主的に納めれば軽減原則10%、自主納付なら5%。5,000円未満は切り捨て
不納付加算税の不適用法定納期限から1か月以内に納付し、かつ直前1年間に期限後納付がなければ課されない「うっかり数日遅れ」は初回なら救済される仕組み
延滞税納期限の翌日から納付日までの日数で計算2か月以内 年2.8%、2か月超 年9.1%(令和7年は2.4%/8.7%)

不納付加算税は国税通則法67条・119条4項、「税法を知らなかった・誤解していた」は正当な理由に当たらない(国税庁 法令解釈通達)。出典:国税庁「延滞税の割合」

「送信した=納付した」ではない
  • 徴収高計算書を期限内に送信しても、納付が期限後なら加算税・延滞税の対象になる(国税庁「年末調整のしかた」に明記)
  • 忘れるのが心配なら、法定納期限当日に自動で引き落とす自動ダイレクトを検討する
  • 納付区分番号の有効期間は2か月。切れたら再送信が必要

よくある質問

Q. 役員1人で、ある月の役員報酬が0円でした。計算書は出す必要がありますか?
A. 支給が0円で源泉徴収税額もない月でも、給与支払事務所である以上、計算書は提出するのが原則です。e-Taxなら税額0円のデータを送信します。
Q. 納期の特例を使っていますが、途中で毎月納付に戻せますか?
A. 「納期の特例の要件に該当しなくなったことの届出書」を出せば、その届出を出した特例期間から毎月納付に戻ります。給与を払う人が常時10人以上になった場合は提出が義務です。
Q. デザイナーに外注してデザイン料を払いました。この源泉所得税も特例でまとめられますか?
A. まとめられません。納期の特例の対象は給与・退職金と税理士など一定の士業報酬だけで、原稿料・デザイン料などの報酬から源泉徴収した税額は毎月、翌月10日までに納めます。
Q. 納付書を紛失しました。
A. 税務署で入手できます(2026年9月下旬以降はA4単票式)。e-Taxで徴収高計算書を送信して電子納税するなら、紙の納付書そのものは不要です。
Q. 税理士に申告だけ任せて、納付は自分でやる形は普通ですか?
A. 普通です。税理士が代理送信した場合も、電子納税の納付情報は納税者本人のメッセージボックスに届く仕組みなので、本人がネットバンキング(ペイジー)やダイレクト納付で払います。私もこの形です。

まとめ

源泉所得税は、ひとり社長になった瞬間から毎月ついてくる小さな仕事です。毎月10日に納めるか、納期の特例で7月10日・1月20日の年2回にまとめるか。どちらでも税額が0円の月も計算書は提出すること、送信しただけでは納付にならないこと、この2つだけ押さえておけば大きな失敗はありません。

📝 この記事のまとめ
  • 原則は支給月の翌月10日。常時10人未満なら納期の特例で7/10・1/20の年2回に(2027年1月20日は水曜)
  • 特例は申請書を出した月の翌月分から適用。出した月の分は翌月10日に通常納付
  • 令和8年分の税額表では、扶養0人の甲欄0円ラインが105,000円未満に。妻の給料85,000円は0円
  • 税額0円でも徴収高計算書は提出する(国税庁が明記)
  • 納付書は年末調整の時期に翌年分が届く。2029年の年末調整時期からキャッシュレス納付の法人には送られなくなる
  • ペイジー納付は収納機関番号00200+利用者識別番号+確認番号+納付区分番号。税理士が送信しても納付情報は本人に届くので、社長が自分で払える
  • 遅れると不納付加算税10%(自主納付5%)+延滞税2.8%/9.1%(2026年)。1か月以内かつ初回なら加算税は不適用
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副業から合同会社を設立して4年目のひとり社長/エンジニア
本業を持ちながら副業(口コミサイトと受託開発)を12年育て、本業と並行して合同会社を設立。その後、法人に一本化しました。いまはSESを本業に、自社Webサービスと口コミサイトを運営しています。立ち上げ前に自分が不安だったこと・迷ったことを、実際にどうだったかと一緒に書いています。
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