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ひとり合同会社で家族は役員(社員)にする?従業員にする?|給料・社会保険・責任の違いと、扶養の範囲で払う方法【2026年】

家族は役員にする?従業員にする?
gou
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📢 本記事は、副業から合同会社を設立して4年目のゴウが、自分の経験と会社法・国税庁・日本年金機構・厚生労働省の公開情報をもとに書いています。制度の数値は2026年10月時点(令和8年分の改正を反映)のものです。個別の判断は税理士・社労士・年金事務所にご相談ください。一部にアフィリエイト広告(PR)を含みます。

ひとり合同会社を回していると、「経理や事務を妻(夫)に手伝ってもらって、給料も払いたい」という場面が出てきます。そのとき最初に決めるのが、家族を「役員(社員)」にするのか、「従業員」として雇うのかです。どちらも給料は払えますが、決め方・社会保険・責任・扶養への影響がまったく違います。この記事では、合同会社ならではの「役員=出資者」というルールから、2026年の扶養の数字まで整理して、どちらが向いているかの判断フローを置きます。

ゴウ
ゴウ
私の会社では、妻に事務作業をしてもらい、従業員として月85,000円を払っています。役員ではなく従業員にしたのは税理士の勧めで、「扱いが簡単で、扶養の範囲に収めやすい」というのが理由でした。雇用契約書と勤務の記録は作ってあり、給与計算は人事労務freeeです。この記事は、その選び方を一般のルールに照らして説明し直したものです。

結論:事務を手伝ってもらうなら「従業員」、経営に加わるなら「役員」

👔 役員(業務執行社員)が向く人
・取引先・価格・資金など経営の判断に関わる
・会社の持分(所有権)を家族と分けてよい
・毎月定額の報酬で問題ない
・社会保険は自社で入ってよい(扶養にこだわらない)
手続き:定款変更+出資+登記
🧾 従業員(パート)が向く人
・経理・事務・補助など作業を手伝ってもらう
・会社の所有権は自分だけで持ちたい
・忙しさに合わせて時間と給料を変えたい
・社保の扶養・配偶者控除の範囲に収めたい
手続き:雇用契約(労働条件通知書)だけ

合同会社で「役員にする」は、株式会社で取締役を1人増やすのとは意味が違います。合同会社の役員(業務執行社員・代表社員)は出資者=社員の中からしか選べないので、家族を役員にする=家族に出資してもらい、会社の持分を分けることになります。ここを知らずに「肩書きだけ役員に」と考えると、あとで持分の払戻しや意思決定の話が出てきます。

合同会社の「役員」は出資者。株式会社の取締役とは別物

家族を役員にするときの流れ
📜
定款変更
社員の追加・出資額・業務執行社員を定める。総社員の同意(ひとり社長なら自分の同意)
›
💴
出資の払込
金額に下限なし。資本金に入れず資本剰余金にもできる
›
🏛️
変更登記
業務執行社員・代表社員は登記事項。登録免許税1万円(資本金を増やすと別途)
›
🧮
役員報酬を決定
期首から3か月以内に定期同額で。社保の手続きも
単なる「社員」は登記事項ではないが、業務執行社員にするなら登記が要る(法務局の変更登記申請の記載例)
項目合同会社の役員(業務執行社員)株式会社の取締役
なれる人出資した社員だけ(会社法590・591条)株主でなくてもよい
選び方定款で定める(総社員の同意)株主総会の決議
辞めるとき退社=持分の払戻しが発生(611条)辞任・解任だけ。株は残る
責任出資額を限度とする有限責任+善管注意義務善管注意義務・忠実義務
ひとり社長への影響所有権を分ける。定款変更は原則「総社員の同意」経営だけ任せて所有は分けない形が可能

条文は会社法(e-Gov法令検索)。合同会社の社員は全員有限責任です。

⚠️ 家族を社員(出資者)にすると起きること
  • 持分の払戻し:家族が退社するとき、出資分と利益の持分を会社から払い戻す必要がある(離婚・相続のときも同じ論点)
  • 意思決定:定款変更などは原則「総社員の同意」。意見が割れると会社が動かない(定款で過半数などに変えられる)
  • 損益分配:定款に定めがなければ出資額に応じて分ける(622条)。1円出資でも定款で配分を決めておく
  • 税務上、合同会社の業務執行社員は「使用人兼務役員」になれない(国税庁タックスアンサーNo.5205)=完全に役員として扱われる

役員と従業員の違いを10項目で比較

項目役員(業務執行社員)従業員(パート・アルバイト)
決め方定款変更+出資+登記(1万円)雇用契約。労働条件通知書を書面で交付(労基法15条)
給料の変え方定期同額給与:期首3か月以内に年1回。途中で上げ下げできない時給×時間。月ごとに変動してよい。最低賃金以上(全国加重平均1,121円)
賞与事前確定届出給与の届出がないと損金にならない損金になる(不相当に高額な分は不可)
社会保険(健保・厚年)報酬があり経営に参画していれば加入。労働時間の基準は使わない週の所定労働時間が通常の4分の3以上(週30時間以上)で加入
雇用保険・労災対象外同居の親族は原則対象外(他に労働者がいなければ加入不可)
残業代・有休・最低賃金労働基準法の適用なしすべて適用
責任有限責任+善管注意義務。悪意・重過失なら第三者への賠償責任労働者としての責任だけ
辞めるとき退社の手続き+持分の払戻し+登記退職届だけ
配偶者の扶養自社で社保に入れば金額に関係なく扶養から外れる年収130万円未満かつ週30時間未満なら社保の扶養に残れる
税務署に見られる点報酬の相当性(職務内容・他の役員との均衡)、定期同額の遵守勤務の実態(出勤簿・業務の記録)、給与の水準、賃金台帳

出典:国税庁タックスアンサーNo.5210、日本年金機構「適用事業所と被保険者」、厚生労働省 令和8年3月18日通達、東京労働局(同居の親族の取扱い)。

役員にした場合:報酬は定期同額、社会保険は「経営に参画しているか」で決まる

家族を役員にして報酬を払うなら、ルールは社長の役員報酬と同じです。毎月同じ額を、事業年度の開始から3か月以内に決めて払う(定期同額給与)。「忙しい月だけ上げる」はできません。非常勤の役員に年1〜2回まとめて払う形は定期同額給与にならず、同族会社では事前確定届出給与の届出をしないと損金になりません(法人税基本通達9-2-12)。

社会保険は、役員には「週30時間」のような労働時間の基準がありません。法人から労務の対償として報酬を受けていれば被保険者が原則で、2026年3月の厚生労働省の通達では「経営への参画を内容とする経常的な労務の提供があるか」「報酬がその対価として経常的に支払われているか」を実態で判断するとされています。会議に出るだけ・実費程度の報酬なら対象外ですが、毎月定額の報酬で経理や事務を継続的に担っているなら、加入対象と判断される可能性が高いと考えたほうがよいです。加入すれば、配偶者はあなたの扶養から外れ、自社で保険料を払うことになります。

💡 役員にするときの確認ポイント
  • 報酬ゼロの「名義だけの役員」なら社保の加入対象にはならないが、報酬ゼロでは持分を分ける意味が薄い
  • 報酬を払うなら、定期同額+社保加入+扶養から外れる、をセットで受け入れる
  • 税の配偶者控除は、配偶者の給与が136万円以下(令和8年分)なら役員報酬でも使える
  • 役員報酬の決め方は 役員報酬はいくらにする? と同じ考え方

従業員にした場合:契約書と記録を作れば、扶養の範囲で柔軟に払える

STEP1
労働条件通知書(雇用契約書)を書面で渡す
賃金・労働時間・休日・就業場所と業務の変更の範囲(2024年4月から明示事項)。家族でも省略しない(労基法15条)
STEP2
出勤簿・賃金台帳・労働者名簿を作る
勤務の実態を示す記録。税務調査で「本当に働いているか」を見られるのはここ(労基法107〜109条)
STEP3
時給は最低賃金以上、給料は仕事に見合う額に
役員の親族への不相当に高額な給与は損金にならない(法人税法36条)。同じ仕事を他人に頼んだらいくらか、で考える
STEP4
源泉徴収と扶養控除等申告書
申告書を出してもらえば甲欄。令和8年分の月額表では社会保険料控除後105,000円未満なら源泉0円
STEP5
社会保険は週30時間未満なら加入不要
ひとり法人は「4分の3基準」だけ。従業員51人以上の会社の「106万円の壁」はひとり法人には関係ない
STEP6
雇用保険・労災は原則対象外と知っておく
同居の親族は、他に労働者がいなければ雇用保険に入れない。労災が心配なら特別加入(労働保険事務組合経由)を検討
ゴウ
ゴウ
私のケースは、妻が従業員・月85,000円。令和8年分の月額表なら源泉は0円、年間では配偶者控除(給与136万円以下)も社保の扶養(130万円未満)も範囲内です。雇用保険・労災は同居の親族なので対象外で、手続きはしていません。雇用契約書と勤務の記録は最初から作っておき、給与の振込は人事労務freeeで毎月同じ日に。「扶養の範囲に収まる額を、記録を残して払う」という形に落ち着いています。

2026年(令和8年分)の「壁」の数字

壁数字役員の場合従業員の場合
税:配偶者控除配偶者の合計所得62万円以下=給与136万円以下役員報酬でも同じ同じ
税:配偶者特別控除所得62万円超133万円以下=給与136万円超207万円以下(満額は給与約169万円まで)同じ同じ
源泉所得税(甲欄)月105,000円未満は0円(社会保険料控除後)同じ同じ
社保の扶養年収130万円未満(60歳以上は180万円未満)報酬ありで経営参画なら金額に関係なく自社で加入130万円未満かつ週30時間未満なら扶養のまま
106万円の壁従業員51人以上の会社だけ(2027年10月から36人以上、2035年10月に撤廃予定)関係なしひとり法人には関係なし

出典:国税庁タックスアンサーNo.1191・No.1195、令和8年分源泉徴収税額表(月額表)、協会けんぽ「年収の壁」、厚生労働省(年金制度改正)。

従業員にしても「みなし役員」になる落とし穴

従業員として雇っても、税務上は役員とみなされることがあります。同族会社の使用人で経営に従事していて、持株の要件を満たす人は「みなし役員」です(法人税法施行令7条、国税庁タックスアンサーNo.5200)。持株の要件は配偶者の持分を含めて判定するので、社長100%の会社でも配偶者は要件を満たします。つまり、配偶者が取引先の決定・価格・資金繰りなど経営の判断に関わっていると、従業員の肩書きでも役員扱いになり、賞与は事前確定届出がないと損金にならず、給与は定期同額が求められます。

🔍 「経営に従事」と見られやすい行動
  • 取引先との契約や単価を決めている
  • 銀行とのやりとり・借入の判断をしている
  • 採用や外注先を決めている
  • 逆に、経理の入力・請求書の発行・郵便物の処理などの事務だけなら使用人のまま

就業規則は10人未満なら不要。でも簡単なものはあると楽

就業規則の作成・届出義務があるのは常時10人以上の労働者を使う会社です(労基法89条)。ひとり法人+家族なら義務はありません。それでも簡単なものを作っておくと、労働時間・休日・賃金の決め方が文書で残り、税務調査で勤務実態を説明しやすくなります。将来、家族以外を雇うときの土台にもなります。

ゴウ
ゴウ
うちは簡単な就業規則を作ってあります。義務ではないのですが、労働時間と給料の決め方を文書にしておくと、妻との間でも「これはこういうルール」と言いやすくなります。契約書・勤務の記録・就業規則の3つがあれば、家族への給料で聞かれることはだいたい答えられます。

判断フロー:役員にするか、従業員にするか

STEP1
配偶者は経営の判断に関わるか?
取引先・価格・資金の決定に関わるなら役員が自然(従業員にしてもみなし役員になる)。事務の手伝いなら次へ
STEP2
社保の扶養に残したいか?
残したいなら従業員(週30時間未満・年収130万円未満)。役員で報酬を払うと扶養から外れやすい
STEP3
仕事量は毎月安定しているか?
安定していれば役員報酬(定期同額)でもよい。繁閑があるなら時給制の従業員が柔軟
STEP4
年収をいくらにしたいか?
給与136万円以下で配偶者控除、207万円以下で配偶者特別控除。月105,000円未満なら源泉0円
STEP5
会社の持分を家族に渡してよいか?
離婚・相続のときの持分払戻しを受け入れられるなら役員。会社は自分だけで持ちたいなら従業員
STEP6
結論
役員向き=経営に参画・持分を分けてよい・毎月定額。従業員向き=事務の手伝い・扶養に残したい・時間と給料を柔軟に・所有権は渡さない

よくある質問

Q. 「扶養の範囲」と言うけれど、税の扶養と社保の扶養は同じ?
別物です。税の扶養(配偶者控除)は妻の年の給与136万円以下(令和8・9年分)で判定し、社保の扶養は年収130万円未満の見込みと週の労働時間で判定します。従業員として月85,000円なら年102万円で、どちらの範囲にも入ります。
Q. 役員にすると、少額の報酬でも社会保険に入ることになる?
報酬があって経営に参画している役員は、金額の多寡に関係なく自社の社会保険の被保険者になるのが原則です(従業員のように「週30時間以上」という労働時間の基準は使いません)。非常勤で経営参画の実態がない場合は加入対象外とされることがあります。扶養に残したいなら従業員の形が無理がありません。
Q. 妻を「社員(出資者)」にしなかった理由は?
私の場合は税理士の勧めで従業員にしました。社員にすると持分(会社の所有権)を分けることになり、退社時の持分の払戻しや登記が必要になります。事務を手伝ってもらう形なら、雇用契約書・勤務記録・簡単な就業規則を整えた従業員のほうが扱いが簡単で、扶養の範囲にも収めやすいというのが理由です。
Q. 2026年4月から扶養の判定が「契約書ベース」になったと聞いた
健康保険の被扶養者の収入要件は、実際の収入だけでなく雇用契約書・労働条件通知書などの契約内容から見込み年収で判定する運用が示されています。家族従業員の場合は、自社で作った雇用契約書の時給・時間がそのまま判定材料になるので、年収130万円未満に収まる契約内容にしておきます。細かな運用は加入している健康保険(協会けんぽ・健保組合)に確認してください。

まとめ

📝 この記事のまとめ
  • 合同会社の役員(業務執行社員)は出資者から選ぶ。家族を役員にする=持分を分けること(定款変更・出資・登記1万円)
  • 役員報酬は定期同額。報酬があり経営に参画していれば社保に加入し、扶養から外れる
  • 従業員なら契約書・出勤簿・賃金台帳を作り、週30時間未満・年収130万円未満で扶養に残れる。令和8年分は月105,000円未満で源泉0円、給与136万円以下で配偶者控除
  • 同居の親族は雇用保険・労災の対象外が原則。経営に関わると従業員でも「みなし役員」
  • 事務の手伝いなら従業員、経営に加わるなら役員。私は妻を従業員・月85,000円にしている
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ひとり社長の制度の小ネタや、副業から法人化までの気づきを毎日投稿しています。

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副業から合同会社を設立して4年目のひとり社長/エンジニア
本業を持ちながら副業(口コミサイトと受託開発)を12年育て、本業と並行して合同会社を設立。その後、法人に一本化しました。いまはSESを本業に、自社Webサービスと口コミサイトを運営しています。立ち上げ前に自分が不安だったこと・迷ったことを、実際にどうだったかと一緒に書いています。
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