会社員の副業、確定申告はいくらから?20万円ルール・住民税・雑所得と事業所得の分かれ目【2026年分】
副業の売上が立ち始めると、次に気になるのが「確定申告は必要なのか」です。結論から言うと、会社員は副業の「所得」が年20万円を超えたら所得税の確定申告が必要で、20万円以下でも住民税の申告は必要です。この記事では、法人化する前の「個人の副業」の確定申告を、20万円ルール・所得の区分・住民税・青色申告の順に整理します。


20万円ルールの正確な条件
国税庁の説明では、給与を1か所からもらっていて年末調整を受けている人は、給与・退職所得以外の所得の合計が20万円以下なら所得税の確定申告は不要です。ここで見るのは「売上」ではなく「所得(売上−経費)」です。
✅ 副業の所得(売上−経費)が年20万円以下
⚠️ ただし住民税の申告は必要(市区町村へ)
⚠️ 医療費控除やふるさと納税で確定申告するなら、20万円以下でも副業分を含めて申告
✅ 副業がアルバイトなど「給与」で、年末調整されていない給与収入+他の所得が20万円超
✅ 給与収入が2,000万円超
👉 翌年2月16日〜3月15日に申告
- 20万円ルールは所得税だけの話。住民税には同じルールがなく、副業所得があれば市区町村への申告が必要
- 副業が給与(アルバイト)の場合は「収入」ベースで判定される。売上−経費の話ではない
- 確定申告をする年(医療費控除・ふるさと納税6自治体以上など)は、副業所得が20万円以下でも申告書に含める
雑所得か事業所得か:帳簿があるかで決まる
副業の所得は「雑所得」か「事業所得」のどちらかで申告します。2022年10月の国税庁の通達改正で、判断基準がはっきりしました。ポイントは帳簿書類を保存しているかどうかです。帳簿は、口座やカードを連携できるマネーフォワード クラウド確定申告
のような申告ソフトで付けておくと手間がかかりません。
| 帳簿の保存 | 副業収入 300万円以下 | 副業収入 300万円超 |
|---|---|---|
| あり | 概ね事業所得(収入が僅少・営利性がない場合は個別判断) | 概ね事業所得 |
| なし | 業務に係る雑所得 | 概ね雑所得(個別判断) |
※国税庁 所得税基本通達35-2(令和4年分以後)。「社会通念上、事業と言える程度に継続・反復しているか」が大前提です。
✅ 手続きが軽い
⚠️ 青色申告控除なし
⚠️ 赤字を給与所得と損益通算できない
👉 副業が小さいうち、まずはここから
✅ 赤字を3年繰り越せる
⚠️ 開業届+青色申告承認申請書が必要
⚠️ 複式簿記で帳簿をつける
👉 継続案件があり、年間で数十万円以上の所得が見える段階
会社員の副業で事業所得にするなら、開業届(事業開始から1か月以内)と青色申告承認申請書(その年の3月15日まで、新規開業なら2か月以内)を税務署に出します。65万円控除は、複式簿記+貸借対照表・損益計算書を添付し、e-Taxで期限内に申告するのが条件です(紙で出すと55万円)。
住民税で本業に副業が伝わる仕組み
よく言われる「住民税でバレる」は、副業の所得を本業の給与と合算して住民税が計算され、会社に届く住民税の通知額が増えて経理が気づく、という経路です。確定申告書の第二表で「自分で納付(普通徴収)」を選ぶと、副業分の住民税を自分で払う形にできます。
「給与、公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」の欄
これで副業分(給与以外の所得)の住民税は納付書で自分が払う扱いになる
副業が「給与」の場合は原則選べない(法律上、給与所得は特別徴収)。副業が赤字の年は特別徴収に戻ることもある
- 副業がアルバイトなど給与なら、普通徴収は原則選べない。自治体によっては複数の給与をすべて特別徴収に統一している
- 「自分で納付」を選んでも、通知の形式や自治体の運用によって完全に伝わらない保証はない
- そもそも就業規則で副業が禁止なら、申告の方法で解決する話ではない
2026年分から変わる数字
2025年分と2026年分で、所得税の基礎控除と給与所得控除が続けて引き上げられています。副業の申告書を自分で作るときに関係するのは次の2つです。
| 項目 | 2025年分 | 2026年分・2027年分 |
|---|---|---|
| 基礎控除(合計所得489万円以下の人) | 95万〜68万円(所得で段階) | 104万円(特例加算込み) |
| 給与所得控除の最低額 | 65万円 | 74万円(給与収入220万円まで) |
| 副業の20万円ルール | 変更なし | 変更なし |
※国税庁「令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について」。2026年分は年末調整(2026年12月)で反映され、確定申告は2027年2〜3月です。
経費にできるもの、残しておく記録
経費の考え方は「その収入を得るために直接必要だったか」です。サイト運営ならサーバー代・ドメイン代、開発の受託なら書籍・ソフト・通信費など。自宅の家賃や通信費のように私用と混ざるものは、業務に使った割合だけを家事按分して経費にします。

口座やカードを連携して収支を自動で記録し、申告書まで作れる個人事業主向けのソフトです。副業のうちから記録の習慣を作っておくと、法人化するときに「売上がいくらか」を即答できます。
申告の流れ(e-Tax)
スプレッドシートか確定申告ソフトで。請求書・領収書は5〜7年保存
帳簿があり継続しているなら事業所得(青色なら事前に申請)。それ以外は雑所得
マイナンバーカード+スマホで完結。源泉徴収票の内容とマイナポータル連携で控除証明も取り込める
本業に伏せたい人はここを忘れない
2026年分は2027年2月16日(火)〜3月15日(月)の見込み。国税庁の確定申告特集で最終確認
開業届は出すべき?私は12年間「雑所得」のまま法人にした
「副業を始めたら開業届を出すべきか」はよく聞かれますが、開業届を出さなくても確定申告はできます(雑所得として申告)。開業届+青色申告承認申請を出すと65万円控除や赤字の繰越が使える代わりに、帳簿づけの手間が増え、本業の会社に事業所得者として見られる面もあります。

副業がここまで来たら、法人化を考える
副業の所得が年300万円を超え、翌年も続く見込みが立ったら、個人の確定申告から法人の決算に切り替えるタイミングです。私は副業の売上が年347万円になった翌年に合同会社を作りました。法人にすると税理士費用や均等割がかかる一方で、役員報酬・共済・融資といった仕組みが使えます。
まとめ
- 会社員は副業の「所得」が年20万円超で所得税の確定申告が必要。20万円以下でも住民税の申告は必要
- 雑所得か事業所得かは「帳簿を保存しているか」で決まる。青色申告の65万円控除は複式簿記+e-Tax
- 住民税は第二表で「自分で納付」を選べるが、副業が給与なら原則選べない
- 2026年分は基礎控除104万円・給与所得控除の最低額74万円。20万円ルールは変わらない
- 副業所得が年300万円を超えて続くなら、法人化の検討ライン

