副業12年で失敗したこと・やってよかったこと|力量以上の仕事、短期で終わった案件、難しく考えすぎた法人化
副業を12年続けて、会社員のまま合同会社を作り、いまはひとり社長として4年目です。こう書くと順調そうに見えますが、途中には力量以上の仕事を受けて取引を失ったことも、再開した最初の案件が短期で終わったことも、会社を作る前に何か月も動けなかったこともあります。この記事では、そうした失敗と、それでも続けてきてよかったことを、時系列で正直に書きます。
- 副業で一番しんどかったのは、忙しさではなく「できない」と言えなかったこと。受ける前に「どこまでやるか」を決めておくのは相手のためでもある
- 単発で終わった案件より、継続して任せてもらえた案件が売上とスキルを伸ばした。収入が安定したのは、準委任で継続の契約を結べてから
- 法人化して振り返ると、登記・口座・税理士・社会保険は難しく考えすぎていた。不完全でも連絡すれば相談に乗ってもらえる
- とりあえず一歩踏み出す。思いついたことは一通りやってみる。世の中、実際に手を動かす人は意外と少ない
副業を始めたきっかけ(2011年)
最初の仕事は、クラウドソーシングで受けたWebのコーディング案件と、知り合いから頼まれたECサイトの改修でした。始めた理由は、本業以外の仕事を通して収入を増やしたい、スキルを上げたい、人との関わりを増やしたいの3つです。独立したいという気持ちはその頃から漠然とありましたが、一人で食べていけるほどの自信はまだありませんでした。

12年半の売上の推移は「副業の売上がいくらになったら法人化すべき?」に年別で載せています。
失敗①:自分の力量以上の仕事を受けてしまった
副業で一番しんどかった時期を聞かれたら、迷わずこれです。知り合い経由で受けた改修案件で、最初は小さな改修のはずが、やりとりを重ねるうちに仕様が少しずつ膨らんでいきました。「ここまでなら」と思っているうちに断るタイミングがつかめず、見積もりを出したあとで、正直に「できません」と伝えることになりました。
- 「せっかくの依頼だから」と、範囲を決めずに受けた
- 仕様が膨らんでも、その場では断れなかった
- 見積もりを出してから「できない」と伝えた
- かなり安い単価で請けていた
- 受ける前に「どこまでやるか」を文字で決める
- 追加の要望は「別見積もり」と最初に伝える
- 無理だと思った時点で、見積もり前に言う
- 安く請けすぎる案件は、長く続けない

失敗②:再開した最初の案件が、短期で終わった
2018〜2019年は広告収入だけの時期があり、受託は止めていました。2020年に副業マッチングサービスで受託を再開したとき、最初の案件はWordPressのカスタマイズの改修でした。ところが、この案件は短期間で契約が終わります。振り返ると、求められていた水準に対して自分のスキルが足りなかったのだと思っています。
ここで「やっぱり自分には無理だ」と止めることもできました。止めなかったのは、自分で運用している口コミサイトの開発を続けていて、そこで勉強しながら次を待てたからです。
縁がなかったではなく、足りないものがあったと考えた
受託が無い期間も、勉強とアウトプットを止めなかった
依頼してくれる相手ができ、同じ相手から続けて受ける形に
2021年→2022年で売上は約3倍。法人化を考え始めた

転機:準委任で「継続の契約」を結べてから安定した
副業の収入が「給料以外の柱になった」と感じたのは、副業マッチングサービス経由で、一定量の仕事を継続して出してくれる会社と知り合えたときです。準委任(時間単価)で契約をもらってから、月ごとの収入のブレが小さくなり、見通しが立つようになりました。
副業マッチングサービスの比較は「会社員の副業マッチングサービス8社を比較」、案件面談の受け方は「副業案件・SESの面談はこう受ける」にまとめています。
副業で学んだことが、本業に返ってきた
副業をしている間、本業に支障を出さないのは当然の前提でした。ただ、副業は本業の時間を削るだけではなく、本業に返ってくるものがありました。
- お客さんとのやりとり。本業では分業されていた部分を、副業では自分で全部やる
- 見積もりの感覚。作業にいくらの値段が付くのかを、自分の手で決める経験
- 技術面。ほかの現場でどんなスキルやフレームワークが使われているかを、仕事を通して知れた

法人化して振り返ると、「難しく考えすぎていた」
合同会社を作ることを決めてから登記するまで、半年ほどかかっています。時間がかかったのは書類ではなく、登記、法人口座の開設、税理士との契約、社会保険の手続きを「ちゃんと準備してから」と思って、なかなか動けなかったからです。
実際にやってみると、不完全な状態でとりあえず連絡しても、銀行も税理士も年金事務所も相談に乗ってくれますし、アドバイスももらえます。一人で考えている時間がいちばん長かった、というのが正直な反省です。

- 12年間、開業届を出さず雑所得で確定申告していた。青色の65万円控除は使っていない
- 売上が小さいうちは帳簿の手間のほうが大きいと感じていた。結果として「個人事業主としての記録」はなく、法人化のときに引き継ぐ資産も廃業届もなかった
- 開業届を出す・出さないの判断は「会社員の副業、確定申告はいくらから?」で整理した
これから副業を始める人へ
12年やってきて、いちばん伝えたいことは「とりあえず一歩踏み出す」ことです。踏み出して進んでいくうちに、見えていなかったものが自ずと見えてきます。思いつくことは、一通りやってみたほうがいいと思います。

- 受託が無い時期も、自分のサイトで手を動かし続けたこと
- 単発より継続を選んだこと。同じ相手から続けて受けるほうが、売上もスキルも伸びた
- 力量以上の仕事を、見積もり後でも正直に「できない」と伝えたこと
- 会社員のまま法人を作り、給料がある状態で口座・共済・税理士を済ませたこと
まとめ
- 副業で一番しんどかったのは、力量以上の仕事を受けて「できない」と言えなかったこと。受ける前に範囲を決める
- 再開した最初の案件は短期で終わった。自分のサイトで手を動かし続け、継続案件を受けられる相手ができてから伸びた
- 収入が安定したのは、準委任で継続の契約を結べてから。法人化の判断もそこから
- 副業で学んだ見積もりの感覚や技術は、本業にも返ってきた
- 法人化の手続きは難しく考えすぎていた。不完全でも連絡すれば相談に乗ってもらえる
- とりあえず一歩踏み出す。実際に手を動かす人は意外と少ない

